リハビリテーションは機能の低下した箇所の柔軟性や筋力強化を目的として行われます。
この時にまずは筋トレをすれば良いでしょうか?それともしっかりと動かせるようになってから鍛えたほうが良いでしょうか?
実際には同時進行で行われていきますが、まず必要なのは関節の可動域の獲得です。考えてみたら当然ですが膝が少ししか曲がらない状態でスクワットをしても太ももや臀部の鍛えたい筋肉が十分に伸び縮みできないので、負荷をかけても刺激が入る箇所はかなり限定されてしまいます。
この状態ではいくら鍛えてもその効果は十分なものになりません。
逆に膝や股関節、足首の可動域をしっかりと出してからスクワットをすると動作に参加する筋肉に十分な刺激を入れることができて、最大限の効果を期待できます。
これはどこの部位でも同じことです。
リハビリのみでなくパフォーマンスアップを目的とした場合でも”十分に可動域を出してから鍛える“という流れがもっとも効率的ですので、まずは可動域を出すことに取り組んでみてください。
まず可動域を出せばしっかりと鍛えることができますが、その逆はありません。鍛えても可動域は改善しませんので注意が必要です。
しかしながら必ずしも柔らかければ良いというわけではありません。
特にスポーツでは特定の部位が硬い方が力を伝えやすくなりパフォーマンスが上がることも少なくありません。
特に過度な柔軟性は通常は必要ありませんので、その関節が運動学的に標準の可動域を獲得できていれば十分です。
ストレッチなどに取り組んでも可動域がしっかり上がってこないとか、関節の動きに違和感を覚えるとかいった場合には、関節の中で微妙なズレがあるケースも多いです。これはレントゲンなどでは判断しにくいので見落とされがちですが、実際には良くある不具合の代表的な原因の一つです。
こうした場合は関節モビライゼーションや矯正をしてもらうのが一番の改善策だと思います。