股関節の可動域には個人差や左右差がよく見られます。

理由は色々ありますが、その一つに大腿骨前捻角の角度の違いがあります。

大腿骨の前捻角は発育とともに形作られてくることが知られていますが、骨の柔らかい時期にどのような力がかかるかによって形状が変わります。ですので個人の中での左右差の違いもよくみられます。

これを調べるのがクレイグテストです。うつ伏せにした状態で、セラピストは操作する側の大転子に手掌を当てて大腿骨を内旋させます。この時に大転子が張り出してくる様子を当てた手のひらで観察します。

張り出してくる度合いが大きいほど前捻角が大きいと考えられます。

一般にこの場合は股関節を内旋させて安定させる方が力学的に理にかなっていますので、外から観察できる膝やつま先の向きだけで理想的な脚の肢位を決めてしまうと関節内が不安定になってしまい、損傷するリスクが高まります。

他にも骨盤側の形状の問題が原因で左右差があるパターンもあります。

このように股関節はその形状的に左右差が埋まらないこともかなりありますので、左右差を解消しようと無理矢理広げたりせず、ご自身の骨や関節の形状に合った使い方をしながらうまく付き合っていくようにしましょう。

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