体の状態を診る方法には様々なアプローチがありますが、そのうちの一つ運動連鎖という概念を紹介します。

運動連鎖とは?

運動連鎖(Kinetic chain)は字のとおり運動が鎖のように連なっていくことです。

日常生活の動きやスポーツ競技における関節などの運動にはすべて運動連鎖が生じています。

簡単にいうと一つ関節が動くと、その隣の関節が影響を受けて動きを生じ、その次の関節が動いて、という形で動きが連鎖していく現象を運動連鎖と呼んでいます。

具体的に人の体ではどのような運動連鎖が生じているか?上半身や全身の運動連鎖もありますが、今回は下半身を例にとって紹介していきます。

下半身の上行性運動連鎖と下行性運動連鎖

下肢の運動連鎖は大きく分けて上行性の運動連鎖と下行性の運動連鎖に分かれます。

上行性運動連鎖とはその名の通り下から上に順番に伝わる運動連鎖で、下行性運動連鎖は上から下に伝わる運動連鎖です。

一般的に下半身で運動連鎖に関わるのは、踵、下腿、膝、大腿、股関節、骨盤です。 上行性運動連鎖の場合、まず踵の動きから始まります。

例えば踵が回外(外側に倒れる動き)をすると足首の関節を介して下腿部が外旋(外に開くように回旋)し、同様に膝、大腿、股関節も外旋し骨盤は後に倒れるか同様に外旋するという動きの波及していきます。

一方で踵が回内(内側に倒れ動き)をすると足首の関節を介して下腿部が内旋(内に閉じるように回旋)し、同様に膝、大腿、股関節も内旋し骨盤は前に倒れるか同様に内旋するかという動きの波及が生じます。

下行性運動連鎖の場合、動きのパターンは同じですが、上から下に連鎖が波及していきます。

つまり骨盤が外旋か後傾したら、その影響で股関節が外旋、同様に大腿骨、膝、下腿も外旋し踵が回外するという力の波及が生じます。

もしくは骨盤が内旋したら前傾か以下全て内旋し、踵が回内するパターンもあります。

このように一箇所が動くと連鎖的に力が伝わり、ポジションを変化させていくのが関節の特徴ですが、例えば踵は回内して内旋の力が上行性に伝わる一方で、同じ側の骨盤は外旋し外旋の力が下に伝わっていくようなケースもあります。

こうした場合、多くは膝で上からくる力と下からくる力のねじれが衝突することが多いです。

その結果として、膝の内側や外側が痛んだりするケースも多々あります。

こうしたケースの場合は膝は結果的にストレスを受けて痛みを生じているので、その原因となる箇所の運動連鎖に着目して、そちらにアプローチする必要があります。

但し運動連鎖は関節が柔らかい人には生じにくい現象ですので、皆がこのように動くわけでもありません。

実際には踵は回外しても下腿は内旋するといったケースもあるので、今回紹介したほど単純ではないのですが、こうした体のつながりがあることを知っておくだけでも、体を診る際の視野が広がると思いますので、参考にしてみて下さい。

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