オキシトシンとは?

オキシトシンは俗に【愛情ホルモン】とも呼ばれます。

この脳内伝達物質は基本的に子孫を残し生き残るために他者との関係性を深める仕事をしています。

またホルモンとしての機能もあり、出産や母乳を出すことを促す役割もあり、哺乳類の出産、授乳に欠かすことのできない物質です。

他にも血圧を下げる、心拍を遅くする、皮膚粘膜の血流を増やす、コルチゾール(ストレスホルモン)濃度を下げる、消化吸収を促すなどの効果もあります。

このオキシトシンの分泌レベルが高いと脳は落ち着き、自信を持ち、幸せを感じやすくなり他者との絆が深まりますので、しっかりと分泌を促したいところですが具体的にどうすればオキシトシンの分泌を促すことができるでしょうか?

今回はそのための方法とオキシトシンの過剰分泌による負の側面を紹介していきます。

オキシトシンを分泌するために


1,親切な行動をする

他者に喜んでもらえる行動をとるとオキシトシンが分泌され、そうした行為をした自分自身が幸せを感じます。

2,人に触れる

人に触れるとオキシトシンが分泌され、短期的なストレスが減少、免疫機能の向上、うつ状態からの回復に効果があることがわかっています。

これはセラピストがクライアントさんに触れる時も同様です。

人の手の温もりはこうした生理学的反応を引き起こす力を持っています。

3,目と耳から入る情報をコントロールする

SNSとスマホの影響を知り上手く使うことも必要です。

SNSやスマホは時として自己中心的な行動を増強させるきっかけになります(自分の投稿へのいいねを気にしたり他者と自分の生活を比較するので)。

そして他者の生活を垣間見て孤独感を感じたり、他者との間に心理的な障壁を作ってしまうこともあります。

またSNSやスマホは見たり聞いたり一方通行の情報を浴びるので、実際に人と話す際に耳を傾けたり、目を見たりといったコミュニケーションの基本的な力が損なわれてしまうリスクがあります。

SNSやスマホのこうした側面を知って上手く活用していけばオキシトシンの分泌が阻害されなくなります。

4,達成を祝う

何かを成し遂げた時に(どんな些細なことであっても)、しっかりとお祝いをするとオキシトシンの分泌が促されます。

ゴール達成の節目をクリアに認識することで、もっとポジティブな気分になれます。

さらにチームで達成した目標であれば各人のオキシトシンの分泌により仲間との繋がりがより深まります。

5,感謝の気持ちを振り返る

感謝の気持ちを綴るジャーナリングをしたり、歯磨きやシャワーといったちょっとした日常の時間に今日一日で他者に感謝することを思い出してみるとオキシトシンの分泌が促進されます。


オキシトシンの怖い面

このようにオキシトシンの分泌は様々なメリットがありますが、負の側面があることも知っておく必要があります。

ドイツ語で【シャーデンフロイテ】という言葉があります。

これは誰かが失敗した時に思わず沸き起こる喜びのことを表します。

こうした感情が生まれる背景に他者への妬みがありますが、簡単にいうとオキシトシンには妬みの気持ちを生み出す作用もあるということです。

また、人類はその長い歴史の中で集団で暮らすことで生存確率を高めてきましたので、共同体の存続は人間の生存にとって必要不可欠でした。

ですので、その共同体の中で結束を深める強い繋がりを生み出すのもオキシトシンの作用なのですが、共同体を守ためにルールを破るものがいると攻撃して共同体の安定を守るという状況を生み出してしまうのもまたオキシトシンの作用なのです。

社会の風紀を守ため、自分たちが安心して過ごせる共同体を守ため、そのルールに反したもの、異質なものを徹底的に糾弾していくと私たちは快感を覚え、実際にオキシトシンに加えドーパミンも分泌されます。

こう考えると芸能人の失敗に対する過剰なバッシングや、職場や学校でのいじめの原因もオキシトシンの暴走が引き起こす現象であるとも言えます。

あるいは子供を支配しようとする親も愛情が溢れるあまりそうした行動をとっているとも言えます。

巷で愛情ホルモンと呼ばれるオキシトシンですが、こういった側面があることも知っておきたいところです。

シャーデンフロイテに関してもう少し深く知りたい方は脳科学者の中野信子氏のこちらの著作がわかりやすくまとめられているのでおすすめです。

興味がある方は是非ご一読ください。

まとめ


・オキシトシンは脳内神経伝達物質としてもホルモンとしても働く
・他者との繋がりを深める働きがある
・触れあうことで分泌が促される
・過剰に分泌されると所属する集団を守るために強すぎる正義感が生まれ、執着や攻撃性を高めてしまう

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