ウエイトリフティングなどのオーバーヘッド種目では特に円回内筋が固まらないように注意する必要があります。
円回内筋とは肘の内側から前腕の掌側についている筋肉で前腕の掌側かつ親指側に向けて斜めに走行している筋肉です。
その名の通り前腕を回内させる筋肉です。回内というのは手のひらを上に向けた状態から手の甲を上に向けた状態に前腕を回転させる動きになります。
この動作をする際には円回内筋と方形回内筋と呼ばれる筋肉が働きます。方形回内筋は手のひら側の手首のしわから少し前腕に入ったところの奥にある筋肉です。
円回内筋と方形回内筋はともに前腕を回内させる働きをしますが、大きな違いは肘を伸ばした状態で前腕を回転させるのか、伸ばした状態で回転させるのかというところにあります。
方形回内筋は手首の側についていますので、肘の動きに関係なく前腕を回転させることができますが、円回内筋は肘を超えてついているので、筋肉の働きは肘関節の位置と密接に関わってきます。肘を曲げた状態だとこの筋肉は十分に働くことができません。一方で肘を伸ばした状態だと円回内筋は最大限に活用されます。
ということは言い換えると円回内筋の緊張度合いは肘関節のアライメントに影響を与えると考えることができます。
この筋肉が硬いと前腕は回内位になりますので、運動連鎖的に上腕も内旋位に持っていかれます。肩のレベルでみると肩甲上腕関節で上腕が前方に持っていいかれることになります。
この状態でスナッチなどのオーバーヘッド動作をすると、腕を上げる際に上腕骨がうまく回転できず肩甲骨と激突してしまうことになりますので、肩関節の不具合や怪我につながりかねません。
肩の不具合に悩まされている方やウエイトリフティングやクロスフィットに取り組まれている方々は特に肩関節の不具合を予防するためにも日頃から円回内筋の状態を整えることを意識してみてください。